「宮廷の栄華
唐の女帝・則天武后とその時代展
長大な中国の歴史上、唯一の女帝として君臨した則天武后(武則天・624?-705年、在位690−705年)は、唐の国号を周と改変し、政敵を次々と葬るなど、専横で暴虐的な人物とされてきました。
しかし、一方では有能な官僚の登用や屯田の奨励をはじめ、シルクロードを整備して諸外国との活発な交流を促進させたほか、詩文や書をはじめとする文化の振興、仏教や道教に対する深い信仰など、政治、経済、文化、宗教の諸方面において優れた業績を残しました。近年、中国では、彼女の生涯が映像化されたり、展覧会も開催されるなど、にわかに脚光を浴びています。
本展は、則天武后の本籍地山西省と、繁栄を極めた唐の都・長安の置かれた陜西省、洛陽の置かれた河南省の3県に焦点をあて、則天武后ゆかりの地域に伝わる当時の貴重な芸術品を通して、かつての華麗な宮廷文化とその時代の特色を展観するものです。
王侯貴族が願いを託した仏教彫刻、宮廷とその周辺で用いられたまばゆいばかりの金銀器、斬新なデザインが施された陶磁器など、多岐にわたる分野の第一級の名品155点を公開します。
これらの中には、近年の中国考古学の大発見といわれる法門寺の出土品(銀器、陶磁器、ガラス器)や壮大な遺跡として名高い龍門石窟の仏像、さらに則天武后を刻む則天武后勅願の金製願文など日本初公開の作品も97点含まれます。
往時の日本が範とした唐王朝の芸術文化の粋をご覧いただくとともに、中国と日本との古来からの深い繋がりをうかがい知る、格好の機会になるでしょう。」(同展チラシより)
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