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いわやん(京都)
わたしも、入館してしばらくは、すばらしいと、来てよかったと、鑑賞を堪能していたのですが、しばらく見ているうちに、まとまりのよさというのか、センス良く処理され過ぎている・・・という思いがつよまってきました。
思い浮かんだのは、堂本印象です。彼は、日本の古典的な絵画から近現代の表現主義的絵画、抽象画までいわばデザイン的にこなした作家ではないのかと、そういう感想をわたしは持っているのですが、今回、三岸にもその匂いを感じたのです。
三岸の場合は、堂本のようにさまざまなスタイルに遊ぶということはせず、ひとつのものを追求しているようですが、それでもややキレイ過ぎる・・・・。
つまり、模索や葛藤よりも、仕上げることへの関心が強いのではないのかといった気がしてきたのです。
渡仏以前の作品を見る機会があれば、さらに考えてゆきたいと思いました。
あと、いささか余談になりますが・・・
フランスの各所を題材にしているというところが、かえって今の中高年の女性の一部に共感を呼んでいるということが、おもしろく思われました。
日本の風景でもなければ、生活を描いたものでもなく、欧米の観光地にこそ強く感情移入されるようなんですね。一生に数度の旅行に、熱い思いがあるという・・・。
あるいは、江戸時代の東海道五十三次を描いた絵も、当時、そういった意味合いでのニーズがあったのでしょうか。
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