No.174 Last Up Date 2000,10,11

伝統建築の技と歴史
京の匠

京都文化博物館

会期 2000,9,30-11,05
休館 10月18日
料金 大人1000

 



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伝統建築の技と歴史
京の匠展

」(同展チラシより)

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出品作品


ほか

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訪れたのは、10月11日の夕方。この会場は閉館が6時なので、四時半頃に入館してみた。この時間帯だと、さすがに中高年の女性層はほとんどいない。
来館していたのは、男子学生のグループ(授業?)のほかは、年配の男性が数名、サラリーマン、学生カップル、年配の女性、若い女性といったところ。見たところ、サラリーマンと年配の女性以外は、すべて建築関係者のようで、目つきがちがっていた。

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ご感想などお寄せください。

いわやん(2000,10,11)
 正直言って期待はしていなかったのですが、意外に興味深い内容の展覧会でした。
 内容は、タイトルの通りで、伝統建築に関するものですが、もう少し細かく説明すると、大工の技術、道具に関する紹介が約半分。あとは、基礎や壁、屋根などといった各パートについての説明です。
 何が興味深かったかというと、歴史的な意味合いになるのですが、たとえば、絵巻物に描かれている職人の中に明らかに目鼻立ちのくっきりした異邦人の風貌が見られたこと。つまり、渡来系の人々が各種専門分野で大きな役割を果たしてきたということが、そんなところからも垣間見れた気がしたわけです。
 あるいは、徳川家康が、江戸初期に中井家に畿内の大工の統率権を与えたという話。そのことによって、大規模な建築工事がスムーズに行うことが出来たということですが、そんな話、いままで聞いたことがありませんでした。
 また、江戸時代の中ごろだったかな。大工の業界団体が、自分たちの祖というのか神というのか、聖徳太子を祀ったという話。
 ある職能集団が、自分たちのルーツを皇族に求める例は、たとえば木地師などの例を知っていましたが、それはかなり関連性がある話でもあり、また、逆にいえば、一般には名前が知られない宮さんです。
 そこへいくと聖徳太子は、わけが違います。歴代皇族の中でも最も有名な一人でありますし、また仏教との関係が深かったり、馬との関係があったりと、とても大工さんが独占できるような存在ではありません。そういう、いわば大それた選択を、大工さんたちはやったわけです。これはよほどの関係の深さがあってのことでしょう。そのことについての説明は、今回の展覧会ではなされてはいませんでしたが、・・・聖徳太子と大工さんの深い関わり、いったい何なのでしょうね。寺院を建てる時に、大工さんの祖先をたくさん日本に招聘したということでしょうか。

 あと、ふれることが出来る展示もよかったです。木組みとか、図でみただけでは想像しにくいですからね(なかには、立体をイメージできる人もいますが)。実際にやってみると、なるほどと納得できます。それにパズルみたいで楽しい。
 ふれることの出来る展示としては、織物や紙もあって、金襴と銀欄とか、緞子とか、実感が不足していたことを今回補うことができました。
 頭でわかった気になっても・・・だめだといわれますが、思えば、ビジュアルをイメージすることでわかったつもりになっていることが多いなと反省されました。平面より立体的に、視覚だけでなく触覚もイメージできてはじめて、豊かに追体験できる。
 実物にふれることが難しくなっているものについては、このようなふれられる展示がとてもありがたいです。

 そうそう、板葺きの屋根というのも、実物を見ることができて、誤ったイメージを訂正することができました。板葺きといっても、使うのはごく薄い板で、桧皮葺と見た目ほどはそう違うものではありません。ただ、印象が大きく異なるということと、格式が桧皮葺のほうが高いようです。室生寺の五重塔が江戸時代に板葺きから桧皮葺に変えられたというのは、女人寺にふさわしいように変更されたというだけでなく、格式も上がったのでしょうか。

 庭についての紹介は、ごくわずかしかなかったのですが、興味深い説明がありました。はじめてトータルに発想できるようになって庭が生まれたというような説明です。建築というのは、そもそも立地条件なんかも含めて様々なことを勘案して作るものなのでしょうが、庭を発想するというのは、そこからさらに一段広い視野が必要になるようですね。言われてみると当たり前のようですが、文化の発展段階というのでしょうか。その一端を実感できた瞬間でした。

 もちろん、手仕事の魅力というのか、すごさをうかがうことのできる展示もたくさんあって、昔の建物は、それ自体が作品であり、また実にあたたかなものだったんだなということもあらためて思い返されました。

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展覧会のスケッチ

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